シュランの毎日しんどい

生きてる意味がわからない

虫の知らせ

先日、悲しいニュースがあった。

いつも行ってる飲み屋の常連さんで70代のおじさんがいて、いつも20代で店で1番若い俺をめちゃくちゃ可愛がってくれた。

そのおじさんが亡くなったという知らせがあった。

死因は定かではないけど自殺ではなく孤独死だったとの事。しかも悲しいことに死後1週間近く経ってて腐敗が進行していたらしい。

そのおじさんは元々は精神疾患で薬を飲みながら飲み屋に来ては無言で帰る人だったのに薬を一切やめた途端人が変わったように饒舌で元気になった。確か半年前くらいかな。

それ以降は「𓏸𓏸(俺)と飲むのが楽しい」とか「20代なのに物知り」とか「1番若い友達だ」とか言ってくれてて。

で、俺はその飲み屋に行く回数も引越しとかで減ってきていたんだけど6月のある日にふと思い立ったように店に行った。そしたらそのおじさんが居て、「久しぶりだなぁ」って話しかけてくれて、やっぱり「𓏸𓏸(俺)と飲む酒はうまい」とか言ってくれて。相変わらず可愛がってくれて。その日は持ち込みでカティーサークを持ってきてくれて他の客にも振舞ってくれてた。その日はそれなりに飲んだし帰る事にした。

しかし、その日以降おじさんが店に来る事は無かったらしい。つまり俺が行った日が最後だったという事。

俺はなんであの日に飲み屋に行ったのか。

もしかして所謂、虫の知らせだったのかもしれない。

おじさんが半年前に精神薬を辞めて元気になったのも、俺を可愛がってくれたのも、ウイスキーをみんなに振舞ったのも、もしかして自分はもう長く生きれないからせめて人生の最後は楽しく生きようと、そんな感じだったのかもしれない。そして俺があの日飲み屋に行ったのも…。

人間は死ぬ時は決まっているとはよく聞くけど本当にあるのかもしれないね。そして人の最期ってあっけないね。

俺はおじさんの親族でもなんでもないけれど一緒に過ごせて良かった、そう思いながら仏壇に手を合わせた。

合掌。